社会保険制度について

突然の病気・ケガ・老後の生活など私たちの生活にはさまざまなリスクがつきものです。
そんな不安を軽減し、安心して暮らすために役立つのが「社会保険制度」です。
社会保険制度は私たちが支払う保険料をもとに、病気・介護・老後などの生活をサポートしてくれます。
この記事では、社会保険制度の仕組みについてわかりやすく解説していきます。

1. 社会保険とは?

国の社会保障制度の一部である社会保険は、病気・ケガ・老後など生活をするうえで起こりうるさまざまな問題に直面した際に必要な給付を行い、国民の生活の安定を図ることを目的としています。
社会保険には主に次の3つの制度があります。

  • 医療保険:病気やケガをした場合の医療費の一部を負担してくれる
  • 介護保険:加齢に伴い日常生活で支援が必要になったときに、必要な介護サービスを受けるための制度
  • 年金制度:主に老後の生活を支えるための制度

生活に必要な保障を受けるために、国または自治体の運営する社会保険に必ず加入しなければなりません。

2. 医療保険

日本では国民皆保険制度を取り入れており、国民健康保険・健康保険(被用者保険)のいずれかに加入する必要があります。
国民健康保険は主に自営業者、フリーランス、無職の人、退職後など会社に勤めていない人が加入する保険です。
一方で健康保険は主に企業や団体に勤めている人が加入します。

医療保険に加入していると病院での診察や治療・手術などにかかる費用の一部をカバーしてくれるため、自己負担額が軽くなります。
年齢別にみた自己負担割合は次の通りです。

自己負担割合
6歳未満 6割
6歳以上70歳未満 3割
75歳以上74歳以下 2割

現役並み所得者は3割

75歳以上 1割

現役並み所得者は3割

3. 介護保険

介護保険は40歳以上の人が加入する保険です。
介護保険の被保険者は、65歳以上の「第1号被保険者」と40歳から64歳の「第2号被保険者」に分けられます。

第1号被保険者は原因を問わず要介護(要支援)の認定を受けた場合に受給可能です。
第2号被保険者は老化による疾病は原因で要介護(要支援)の認定を受けた場合にのみ受給できます。
利用できるサービス内容には主に次のようなものがあります。

  • ホームヘルパー:自宅での食事や掃除、入浴などの支援
  • デイサービス:日帰りでの介護施設を利用し、リハビリや社会交流の支援
  • 介護施設:常に介護が必要な場合、特別養護老人ホームなどに入所するサービス

 

4. 年金制度

日本の公的年金制度には国民年金と厚生年金の2種類があります。
国民年金は20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度で、厚生年金は会社員・公務員などが対象です。
また、会社員・公務員の方は国民年金と厚生年金の両方に加入します。

公的年金制度は職業によって次の3つの被保険者に分けられます。

対象者 加入する制度 保険料の納付方法
第1号被保険者 農業者・自営業者・学生・無職の方など

20歳以上60歳未満

国民年金 納付書、口座振替など自分で支払う
第2号被保険者 会社員・公務員など 国民年金

厚生年金

給与から天引き
第3号被保険者 第2号被保険者に扶養されている配偶者

20歳以上60歳未満

年収が130万円未満

(国内居住の場合に限る)

国民年金 自己負担なし

5. まとめ

社会保険制度は、私たちが安心して生活できるように支えてくれる重要な仕組みです。
病気やケガ、老後の生活といった不安に備えるために、医療保険、介護保険、年金制度などさまざまな保障が用意されています。

社会保険制度は、すべての人が加入し、保険料を支払うことによって成り立っており、誰もが平等に必要なサポートを受けられます。
社会保険制度を上手に活用できるよう、詳細を確認しておきましょう。